検索意図(インテント)とは、ユーザーが検索エンジンにクエリを入力する動機のことです。検索エンジンと消費者の行動の進化に伴い、デジタルマーケティング戦略における検索意図(インテント)の重要性は高まる一方です。検索の内容が複雑性を増し、質問形式となる(検索の50%が単語4語以上)一方で、表示される検索結果もより具体的なものへと進化しています。
こうした複雑かつ会話に近い検索から得られるメリットのひとつが、顧客やオーディエンスの求めている内容を正確に把握できるという点です。マーケティング業界では、検索意図は通常、検索クエリの特定のキーワードに基づき*****「取引する」、 「情報収集する」、「案内する」*****という3つのアクションに分類**されます。さらに、簡単で議論の余地のない答えを対象とした 「単に情報を得る」というサブカテゴリーも存在します。これは、ゼロクリック検索となってしまうタイプのクエリを指します。
取引する:購買目的の検索意図
これらの検索からは、ユーザーがアクションを実行する準備ができていることが見て取れます。以下のように、製品やサービスの購入をしたり、お店に足を運ぶ意図が見られるものです。
「近くのピザ屋」
「リーバイス ジーンズのセール」
「箱根から御殿場プレミアムアウトレットへの道順」
「スキーウエアのセール」
「台東区の中古バイク部品」
「健康食品 送料無料」
購買意欲の高いキーワードについての詳細はこちら
情報収集する:情報や調査目的の検索意図
これらの検索は、通常、購入目的ではなく、ユーザーが何らかの情報を得るために行うものとして分類されます。
「トム・クルーズの身長は」
「蛇口の漏れを直す方法」
「クロアチアの首都は」
「PDFファイルをiPhoneに保存」
「5kmレースのトレーニング計画」
「秋色アイメイクのチュートリアル」
「マクドナルドの第1号店は」
情報検索で興味深い点は、検索ユーザーの購買に誘導できる機会や可能性があるという点です。例えば、「5kmレースのトレーニング計画」を検索するユーザーが最終的にランニング誌の定期購読を申し込む可能性は大いにあります。あるいは、スニーカーの口コミを探して購入につながる検索をしたり、「ランニング向けのおすすめワイヤレスヘッドホン」と入力してイヤホンを探す可能性もあるでしょう。
検索ユーザーが製品やサービスに関する調査を行っていることを示す「口コミ(レビュー)」「比較」「おすすめ」といった単語を含む非ブランド検索は、情報目的とも購買目的ともみなすことができます。
「単に情報を得る」: 短い答え
Googleが検索品質評価ガイドラインの公表に伴い、2015年に導入したカテゴリーで、2文以下の事実が答えとなる質問が対象となります。
案内する:ナビゲーション目的の検索意図
これらの検索には通常、ブランド名が含まれ、企業ウェブサイトの特定のページや企業情報の一部に関するキーワードが組み合わせられます。検索を行うユーザーに欲しい物が分かっており、ホームページ中を探し回ることなくそれを見つけたい場合にこのクエリが使われます。
- 自社ブランド名+
よくある質問
場所
カスタマーサービス
サポート
電話番号
ウェブサイト
マーケティング担当者にとって検索意図が重要な理由
検索意図は、次の2つのレベルで役立ちます。まず重要なのが、オーガニック(自然)検索は企業ウェブサイトへトラフィックを誘導する最大のドライバーであるため、顧客の検索意図に合わせてページを最適化することが不可欠であるという点です。2つ目は、自社ウェブサイト上でのトラフィックとコンバージョンを促進するキーワードの背後にある検索意図を調べて理解することで、アクション可能な素晴らしい顧客のインサイトが得られ、顧客が重要視するものを把握できる点にあります。
何よりも見逃せないのは、顧客の検索意図を見出すためのデータがすでに手元に揃っているということです。SEOツールやSEMツール、Google検索コンソールをじっくり確認してみましょう。自社ブランドウェブサイトへのトラフィックとエンゲージメントを促進しているキーワードを調べることで、検索意図を解析し、顧客のカスタマージャーニーをより理解することができるはずです。
また、自社ビジネスにとって重要なキーワードについて、今の検索結果を確認してみることも重要です。Googleのナレッジパネル、リッチスニペット、関連する検索キーワードや質問を調べることで、既存のウェブサイトを最適化し、検索で勝ち抜くための新たな機会を見出すことが可能です。
最新の検索トレンド、検索の進化についての詳細は、ホワイトペーパー『カスタマージャーニーは質問から始まります』を参照してください。