世代別の選好:カスタマージャーニーへの影響の分析
製品やサービスの発見から購入に至るまで、Z世代、ミレニアル世代、X世代、ベビーブーム世代、サイレント世代がデジタルチャネルを通じてブランドと関わる方法の違いについて詳しく説明します。
お客様は情報を探す際に、これまで以上に多くのデジタルチャネルに頼るようになり、検索エンジンで質問したり、さまざまなプラットフォームでレビューを読んだり、ソーシャルメディアでロケーションとやり取りしたり、ChatGPTなどのAIツールを使用したりしています。また、お客様の94%*が Google、Bing、Facebook、Appleなどの主要ウェブサイト以外で情報を探しており、顧客行動はこれまで以上に多様化しています。
これはあらゆる年齢層のお客様に当てはまりますが、マーケティング担当者が理解すべき重要な世代間の違いがあります。Yextは、各世代のお客様がブランドとどのように関わり、購入の決定を下すかを定量化するために、デジタルカスタマージャーニー調査を実施しました。
マーケティング担当者がより多くの顧客にリーチして関わりを持つためには、世代間の選好について次のような点を押さえておく必要があります。
1.発見
あらゆる年齢層の顧客がオンラインのさまざまなタッチポイントを通じて製品やサービスを調べているという事実は、マーケティング担当者にとって目新しいことではありません。ただ、これは年齢層によってどう違うのでしょうか?上のグラフは世代別の内訳を示しています。
ここでは、注目すべき主な3つのポイントをご紹介します。
- 検索環境はZ世代で最も細分化: 各世代の大多数は検索エンジンから検索を始めますが、Z世代の半数以上(51%)は他の非検索プラットフォームで開始しています(ヒント:ソーシャルメディアが主因)。検索は、若いユーザーにとってこれまで以上に細分化されています。
- 検索エンジンはすべてのコホートにとって重要ですが、 ベビーブーム世代(68%)とX世代(71%)は、他の世代と比較して検索エンジンをより頻繁に使用しています。
- 見落とされがちだが多くのお客様がマップを重視: ミレニアル世代(8%)と Z世代(10%)は、他の世代よりも地図(GoogleマップやAppleマップなど)を頻繁に使用しています。
2.考慮すべき点
顧客が購入プロセスの「検討」段階に達すると、レビューを確認します。オンラインレビューはあらゆるブランドのデジタルプレゼンスの重要な部分ですが、上のグラフはさまざまな世代がレビューをどのように評価しているかを示しています。
ソーシャルチャネルも重要です。特にZ世代、ミレニアル世代、X世代は、ソーシャルメディアを使用して、ブランドジャーニーを通じてブランドを評価し、ブランドと関わります。
重要なポイント:
- 若い世代ほどオンラインレビューや評価を評価する頻度が高い: ミレニアル世代(66%)とZ世代(71%)の大多数は、実店舗やレストランに行く前に「常に」または「頻繁に」レビューを見ています。別の見方をすると、オンラインレビューを見ない層はZ世代で13%、ミレニアル世代で7%、X世代で7%にとどまりますが、ベビーブーム世代では24%、サイレント世代では52%に上ります。
- ブランドは検討段階でのソーシャルメディアに注目すべき: 当然ながらZ世代はソーシャルメディアを最も多く利用しており、このコホートはFacebookとLinkedInを除く他のグループよりもすべてのソーシャルプラットフォームを多く利用しています。主に、Instagram(71%)、TikTok(66%)、YouTube(58%)の使用が中心です。
- ブランドはFacebookを利用した30代、40代、50代のお客様へのリーチで成功可能: X世代(57%)とミレニアル世代(60%)は他の世代よりもFacebookを頻繁に使用しているため、ブランドはこのジャーニー段階でFacebookを忘れるべきではありません(若いユーザーからは「あまりクールでない」と見なされている可能性もある媒体ですが)。
3.決定とロイヤルティ
お客様は、「決定」段階に達するまでに、検索、ソーシャル、レビューなどでブランドのプレゼンスを評価しています。しかし、購入の際に最も重要となる要素はどれでしょうか。上記の調査結果によれば、正確かつ役立つ情報がそれに当たります。
重要なポイント:
- どの世代も、チャネルにかかわらずブランド情報が正確であることを重視しています。 サイレント世代の100%、その他の世代の99%が、購入を決定する際にブランドの情報が正確であることが「非常に重要」であると述べています。
ブランドは、対象顧客の年齢を問わず、ユーザーが情報を探すために使う可能性のあるあらゆるチャネルで、確かで正確な情報を提供することで、ビジネスを獲得する大きなチャンスを手にしています。
とはいえ、いわゆる「信頼できる情報源」が若い世代のおかげで変化している可能性もあります。X世代は依然として検索エンジンやブランドのウェブサイトなどの従来型の情報源を信頼していますが、Z世代はそれほど信頼していません。具体的に見てみましょう。
重要なポイント:
- ミドル世代はウェブサイトや検索エンジンのような「伝統的な」デジタルソースを信頼: X世代は、他の世代と比較して、検索エンジン(89%)とブランドウェブサイト(83%)の情報に最も満足しています。Z世代は、他の世代と比較して、検索エンジンに関する情報に対する満足度が最も低くなっています(79%)。
- 若いユーザーの方がAIに慣れている: ミレニアル世代とZ世代の半数以上(それぞれ51%)がAIツールから得られる情報の正確性に満足しています。
- 若いユーザーはソーシャルメディアを信頼、ここでは正確性が重要: ミレニアル世代(65%)とZ世代(72%)はソーシャルメディア上の情報の正確性に満足しています。
これらの違いは、検索する場所にかかわらずユーザーが正確な情報を入手できるようにすることの必要性を今一度強調する結果となっていますが、その「場所」は以前とは大きく異なっているようです。X世代の「信頼できる情報源」は Z世代のものとはかなり異なる可能性があり、ブランドはこうしたニーズに応えていく必要があります。そうしないと、お客様が情報を探すあらゆる場所で出会い、ブランドへの信頼を築く機会を逃してしまうことになります。
終わりに
全体的に、当社の調査では、お客様がブランドを調査する際に検索エンジンからソーシャルメディアまでさまざまなソースを利用していることがわかりました。世代を超えて、お客様はあらゆる場所で正確で役立つ情報を求めており、幅広いデジタルプレゼンスの重要性が強調されています。
とはいえ、マーケティング担当者には、「従来の」検索エンジン以外のプラットフォームで、特に若いユーザーをもっと獲得できる大きなチャンスがあります。そのため、2024年にデジタルカスタマージャーニーを極めるには、マーケティング活動を「従来の」SEに限定したり、1つのタッチポイントに集中しすぎないことが重要になります。
さらに詳しく調べる準備はできましたか?
*調査の詳細:この結果は、過去1年間にオンラインで商品やサービスを購入した18歳以上の成人2,312人を対象としたオンライン調査によるものです。この調査は、Yextの委託を受けてResearchscape Internationalが2024年6月14日から25日まで実施され、結果は、国の人口、年齢、性別によって重み付けされました。回答者の居住国はフランス、イタリア、ドイツ、イギリス、アメリカの5か国です。