業界に関するインサイト
オンラインレビューへの返信がもたらす効果とは
生成AIを活用した検索体験では、レビューがこれまで以上に重要であることは明らかです。AI検索の結果には、お客様がブランドに対して残した定性的なフィードバック(主観的な感想や感情、意見など)などが挙げられます。
評判管理戦略の立案が重要な理由は明らかです。ブランドのオンライン上での評判は、お客様がそのブランドと取引するかどうかに直接影響するだけでなく、すべてのタッチポイントで提供される顧客体験が決め手となるからです。
オンラインで優れた顧客体験を構築するための第一歩は、一貫性があり、包括的で、正確な詳細情報(NAPデータや事業属性など)をお客様が自社の情報に触れる可能性があるすべてのウェブ上で提供できるよう、ブランド情報を管理することです。ブランドは、消費者が毎日使用する多くのマップ、アプリ、AI搭載サービスで有益な情報を提供し、役立つように徹底しならなければなりません。
Google、TripAdvisor、Yelpなどのサービスで、正確かつ検証済みのブランド情報を提供できていることがひとたび確認できたら、次は、事業リスティングの基本的な部分となる掲載レビューに注目しましょう。レビューとはいわばスポーツ観戦のようなもので、レビューの投稿者は一人かもしれませんが、何百人、何千人がそのレビューを目にします。
レビューに返信すべき理由とは?
オンラインレビューを通じてお客様のフィードバックに耳を傾けることで、ビジネスを改善し、トレンドを先取りすることができます。また、レビューに直接返信することで、レビューへの対応力と顧客サービスを公に示せるというさらなるメリットも得られます。さらに、新規顧客獲得にかかる費用は既存顧客の維持費用の6倍から7倍に達する*ことを考えれば、お客様に再度製品やサービスを利用していただけるよう、否定的なレビューに対処することには、費用対効果面でも効果があります。
レビューに返信している企業の星評価は、平均で0.28分高く**なっています。
レビューに返信することで、オンライン(特に検索結果)での評判が向上します。検索に「最高のイタリアンレストラン」のように最高という語句が含まれる場合、Googleは事前にフィルタリングを行い、星評価が4以上の事業の結果を表示します。
口コミ(レビュー)に耳を傾け、返信することで、顧客の維持や自社店舗やブランドの星評価の改善につなげられるほか、今後の新規顧客に対しても店舗やブランドをアピールすることができます。それにもかかわらず、現在、口コミ(レビュー)に対応している企業は全体の40%に過ぎません。**したがって、ここに大きな機会が手付かずの状態で広がっているということになります。
対応すべきレビューの種類とは?
調査によると、顧客エンゲージメントと星評価の増加という点で最大のメリットを得たい場合、レビューの60~80%に返信するのが最適ですが、とりあえず10%への返信から始めてもメリットは得られます。この水準の方が企業にとって手始めに現実的な数字となりますが、レビュー数が少ない地元企業は、外部の支援なしでより高い目標を設定できる可能性があります。
次に決めるべき点は、お客様に最高のサービスを提供しながら、企業にメリットをもたらすために、どの口コミに返信すべきかです。Yextの調査では、次の項目に対応することを提案しています。
- 星評価が3以下のすべてのレビュー 星評価が4以上の詳細なコメント付きのレビュー
最も重要なサイトはどれですか?お客様がこれまで以上に多くのタッチポイントを通じてブランドとやり取りする現在、この質問への答えはできるだけ多くとなります。しかし、Google(検索シェアと「最高」の自動フィルタリング対応のため)、Facebook、Yelp、TripAdvisor、そして自社ウェブサイトから始めるのも現実的にはよい戦略です。最大限のメリットを得るには、自社の業種と、お客様が最も活発に活動している場所を必ず考慮してください。
プラットフォームにかかわらず、効果的な口コミへの対応とは、素早く返信し、配慮が行き届いており、サポートを提供する姿勢が感じられるものです。お客様が探している確率の高い情報を提供し、否定的な口コミの場合には謝罪の気持ちを真摯に伝え、お客様にサービスをまた利用していただけるように対応しましょう。
こうした方法は、対応が必要な口コミに取り組む担当者向けのプロセスが確立されている場合にのみ有効です。カスタマーケアチーム、店舗マネージャーや信頼のおけるパートナーが必ず担当します。レピュテーション管理(評判管理)戦略を包括的に構築する上では、この担当者の決定も重要な役割を果たします。
レビューへの回答がもたらす影響
苦情に対処し、よりよい顧客体験を提供できるようレビューを監視して対応することで、ブランドの評判に大きな影響を与えられます。否定的な意見を改善につなげ、ファンになってくれるお客様を集め、洞察を収集し、究極的には競合他社との差別化につなげることができます。
「お客様にもう一度来店していただきたいなら、定評を築き、競合店への失客を防ぐための口コミ(レビュー)への対応が非常に重要となります」と、Fazoli'sのデジタルマーケティングマネージャーのWill Hanaran氏は語ります。「お客様への返信が、問題解決のための近道であることも少なくありません。また、お客様に、自分の声が聞き入れられているということを伝えることもできます。」
その他の戦略についてはレピュテーション管理(評判管理)完全ガイドをご覧ください。
*Thinkjar(2016年)
**Yextによる調査(2018年)