ヤマト運輸 表示されるべき情報で“1日4000人増”を実現
ヤマト運輸のYext お客様事例ページです。Yext(イエクスト)は、検索サイト、マップ(地図)アプリ、SNS、音声検索で公開されている自社の情報を一元的に管理、150以上の検索サービスに対して情報発信が可能です。
Yext
7月 11, 2019
ECサイトの普及などによりますます身近に、そして不可欠になったインフラが宅急便です。ヤマト運輸は、全国に約4000の直営店を持ち、年間約18億個の宅急便を運んでいます。必要な情報は自社のサイトで提供し、簡単に再配達などの依頼ができるようにLINEとの連携やクロネコメンバーズ(個人向け無料会員制サービス)会員にむけたwebサービスの展開など、お客さまの利便性向上にむけて、さまざまなIT化を進めていく中で、行き届かない部分への懸念があったと、ヤマト運輸 宅急便戦略部の柴田義和氏は説明します。
「宅急便を送ろうとしたお客さまが、**Googleをはじめとする検索エンジンで最寄りの店舗を探すと、最寄りではなく少し離れたところにある店舗が表示されたり、仮に最寄りが表示されていても、情報が正しくない例がありました。**実感としては、1割ほどが正しくありませんでした」
原因は検索エンジンの仕組みにあります。検索結果として表示されるのは、ネット上から独自のクローラー(ロボット型検索エンジン)で収集され、独自の検索データベースに登録されたもの。クローラーの巡回後にネット上の情報が更新されても、次の巡回まで、検索データベースは更新されません。このタイムラグが、新しくなった情報が検索結果に反映されないという問題を生み出してしまうのです。
正しい情報提供ができていないというのは看過できません。お客さまは、最寄りより少し遠い店舗に荷物を持ち込んでも、再検索し別の店舗に出向いたりしても、宅急便を送るという目的は達成できますが、そこに課題を見出しました。
「こうした検索結果によるお客さまにとってのマイナスの体験は、私たちには認識しにくいですが、潜在的にあることは容易に想像できました。正しい情報、私たちがお届けしたい情報をお客さまにお届けできないことは、ブランドイメージの毀損にもつながってしまいます」
課題解決に当たっては、自社での対策も考えたそうですが、「調査していくうちに、Googleだけでなく、iPhoneの地図など、さまざまなアプリやプラットフォームに対応する必要があるとわかりました。こうしたプラットフォームはどんどん変化していくので、一般的な企業が自社だけで対応していくのは難しいでしょう。そうした点と、人的リソースや課題解決までの速度を考えると、外部のテクノロジーを活用した方がいいという結論になりました」
そこで外部のサービスを検討する中でYextに出会いました。アメリカでの実績や多彩な検索プラットフォームへの対応だけでなく導入のハードルが低く段階的に機能を増やせる仕組みにも魅力を感じたと言います。
社内で正しくない情報が表示されている例を共有し、対策の必要性を周知した柴田氏のグループは、検討から約半年でYextの導入、運用を始めました。目に見えた効果はすぐに表れたと言います。「明らかに見た目が変わりました。表示されない店舗がなくなり、Googleでも、コーポレートサイトにあるのと同じ店舗情報が表示されます。一般の方が撮影したものも含まれていた写真が、私たちが撮影したものに統一されたのも大きな成果です。また、直営店が約4000店舗あると、毎月のように移転や営業時間の変更がありますが、それらの情報も、Googleだけでなく、ほかのアプリやマップなどで、ほぼリアルタイムで更新できるようになりました」
数字もそうした変化を反映しています。
「**Google マップでの検索数が、月間600万から900万へと、1.5倍に増えました。**地図で検索されるのは、何かしらヤマト運輸に接点を持ちたい方なので、その方たちへ正しい情報を提供できるようになったとも言えます。
それから、約4000の拠点それぞれで平均すると1日1件ほどですが、経路検索までする方がいます。これは確実に来店、それも初めて来店される方だと考えられるので、毎日、全国約4000の拠点で一人は新しいお客さまに来ていただけていると解釈できます。1店舗あたり一人でも、4000店舗なので4000人、これが365日となると146万人にも達します」
常に正しい情報を多くの検索プラットフォームに提供し続けることの重要性は、今後ますます大きくなると柴田氏は見ています。
「文字で検索すると、結果がいくつか並び、お客さまがその選択肢の中から選ぶというのが一般的です。しかし、今後普及が見込まれる音声検索を使うと、選択肢を提示するというよりは、一問一答となり、お客さまが2番目以降の選択肢を認識しません。そうした将来、正しい情報を一番初めに提示できるのは、とても重要なことだと考えています」
宅急便以外のサービスに関しても、Yextでできることがあると柴田氏は期待を寄せています。
「全国統一のサービスだけでなく、限定的なサービスについても、タイムリーに知っていただき、使っていただくための情報発信をしていきたいと考えています。インバウンドのお客さま向けには地域限定ではありますが、手ぶら観光支援サービスを提供しています。Googleはもちろん、訪日外国人のお客さまがいつもお使いのサイトやアプリで、そのサービスを見つけやすくしていきたいとも考えています」
こうした一つひとつの施策は、顧客体験の向上につながります。
「多くの企業はお客さまに対し、より良いサービスや商品を提供するための努力を重ねていると思いますが、それを初めて使うときの体験がよりよいものであれば、お客さまは引き続き、そのサービスを使って下さるはずです。
最初の接点として、**検索という行為は今後もなくなりませんし、むしろ増えていくはずです。**より便利に探し、使っていただくため、私たちは今後も、こうした取り組みを強化していきます」と柴田氏はしめくくりました。
多くの人が使うサービスを提供する企業は、それだけ多くの人に検索される企業でもあります。その探すという行為に常に正しい答えを提供し続けるのが、インフラ企業の宿命かも知れません。Yextはそうした企業が責務を果たすためのサポートを、今後も続けていきます。