コンポーザブルアーキテクチャの意義とその重要性

Nick Oropall

4月 7, 2023

1 分

大規模で複雑な単一のシステムに過度に依存するようになると、テクノロジーの進歩に合わせるべきときに大きな問題が生じます。エンタープライズ組織はこれをよく承知しているはずです。クラウドベースのシステム への移行を経て、多くの企業は数年にわたるデジタル変革の取り組みを終えたばかりか、まだ進行中であり、完了までに数年かかる可能性もあるからです。

ただ、こうした経験の積み重ねから得られる学びは貴重なものです。新しいツールを評価する際には、従来のアーキテクチャ、新しいテクノロジーやソリューションとの互換性の欠如、管理の難しさなど、レガシーシステムの置き換えを極めて困難にしているあらゆる要素に目を配るべきです。

こうした過程を経た企業では、デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)に求めるものが、技術スタックの柔軟性、セットアップと管理の容易さ、さらに、ビジネスニーズに合わせてソリューションを拡大・縮小できる能力であることが理解されており、こうなると、単なるDXPではなく、コンポーザブルなDXPを構築することが重要となってきます。

顧客のデジタルエクスペリエンスを構築・管理する際は、コンポーザビリティのガイドラインを満たすプラットフォームとソリューションを必ず検討するようにしましょう。

1. ヘッドレスまたはコンポーザブルなインフラストラクチャは柔軟性と長寿命化に不可欠

まず、ブランドはこれまで、どのようにデジタルエクスペリエンスを設計してきたでしょうか。

従来のデジタルエクスペリエンスはモノリシックなコンテンツ管理システム(CMS)上に構築されていたため、デジタルエクスペリエンス全体の構築を1つのソリューションのみで行う以外の選択肢はありませんでした。このモデルに従うと、フロントエンド、バックエンド、CMS、コード、プラグイン、データベース、さらにはサーバーまでもが基本的に単一の巨大なアプリケーションに挟みこまれることになります。

コンポーザブルアーキテクチャとは?

コンポーザブルアーキテクチャとは、独自のカスタム技術スタックを構築するためのモジュラー型アプローチで、ヘッドレスアーキテクチャに似ていますが、1つのタイプのエクスペリエンス(ウェブサイトなど)のためにバックエンドとフロントエンドのみを分離するのではなく、各デジタルエクスペリエンスを分離し、一緒に活用できるようにするものです。これにより、バックエンドに干渉せずにフロントエンドの更新や編集できます。

結果として、各コンポーネントがアーキテクチャ全体から独立したシステムが実現し、組織は自社のリソースと目標に合ったペースでデジタルエクスペリエンスを管理・拡張できるようになります。これらのアプリケーションは、すぐに使える機能に重点を置いたもので、組み込みのクラウドサービスや統合とAPIを提供します。

従来型の単一のコンテンツ管理システムや多数の個別のソリューションに縛られることなく、コンポーザブルなアプローチを取ることで、1社のベンダーだけへの過度な依存を避け、新しいソリューションを柔軟に追加することができます。こうしたアプローチにより、複数のベンダーとソリューションを活用し、カスタマージャーニー全体を通じてデジタルユーザーエクスペリエンスを管理・改善することができます。

2. 組み込みの統合(ネイティブ統合)はコンポーザブルな技術スタックの重要な機能

エンタープライズDXPを構築する際には、CMSやCRMなどので確立された補助的なソリューション事前構築の統合 の採用を検討することをお勧めします。利便性が高い人気のソリューションとの統合の数が多ければ理想的です。これには複数の利点があります。

まず、デジタルエクスペリエンスを管理するさまざまなチームがスピーディに導入を開始し、セルフサービスで活用を進められるようになる点です。設定もほとんど必要なく、技術チームの支援も不要なため、マーケターやコンテンツ管理者など、技術的な知識はそれほどないものの、関与の多い職種にとっては力強い機能です。

組み込みの統合により、貴重な技術リソースや部門横断的なプロジェクト計画に依存することなく、チームのコラボレーションとデジタルエクスペリエンスの提供が容易になります。

また、システム間での問題を最小限に抑えることで、一貫したデジタルエクスペリエンスの信頼性を高めることができる点も重要です。この点は、トラブルシューティングやダウンタイムの発生でよりインパクトが強く、目標達成に欠かせない業務にかけられる時間が減ってしまう、少人数のチームや運用体制の場合に特に大切です。

3. コンポーザブルアーキテクチャの中核要素はAPI重視型のプラットフォーム

組み込みの統合は、プラットフォーム間の円滑な通信を確保するのに大変役立ち、一般にセットアップも手軽ですが、通常、ネイティブ統合の元の機能を超えてカスタマイズすることはほぼできません。

デジタルエクスペリエンスツールを評価するときは、カスタマイズが簡単にできるAPI重視型プラットフォームを探すようにしましょう。これはコンポーザブルアーキテクチャとも整合性があり、DXP内のプラットフォームサービスにデータを出し入れしたり、プラットフォームやコンテンツを構成したりする際にも役立ちます。

コンテンツのプラットフォームへの取り込み、ヘッドレスCMSを使用したカスタムエクスペリエンスでのコンテンツの提供、プラットフォームのカスタマイズなど、API重視型のプラットフォームは、さまざまな場面で開発者の負担を軽くしつつ、可能な限り多くの柔軟性を提供するのに役立ちます。

また、DXPを構築する際には、コンポーザブルなAPIベースのアーキテクチャを優先する方が費用対効果が高くなります。そうでない場合、モノリシックソリューションスイートに過度に依存したり、複数の小規模なポイントソリューションにまたがる機能の重複に過大な費用がかかったりするリスクがあります。

*ポイント: MACH Alliance会員が提供するソリューションを探しましょう。MACH Alliance に参加している企業のソリューションであれば、マイクロサービスベース、API重視、クラウドネイティブSaaS、ヘッドレスまたはコンポーザブルなど、最新のテクノロジーのMACH標準を満たしていることが実証されています。

MACH ISV Certified, 2023 Seal
DXPを構築する方法

モノリシックなソリューションスイートから解放され、さらなる柔軟性を手に入れるべきタイミングは今です。Yextを使えば、チームは最高のデジタルエクスペリエンスを簡単に作成、構築、スケーリングできます。

Yext Answers Platformは、MACH認定のコンポーザブル型エンタープライズソリューションです。当社の一連のソリューションは、コンポーザブルなDXPの構築に理想的です。200種類を超える組み込みの統合が揃い、選択するベンダーに最善の独自な方法で柔軟にカスタムエクスペリエンスを構築できるYextなら、最終的に、顧客の維持と収益を促進する、より優れたエクスペリエンスを実現できます。

一例として、SamsungによるYextの使用事例をご覧ください。ヘルプサイト体験管理のYextソリューションの導入から11週間で、Samsungの顧客満足度指標は、NPSスコア(+45%)、CSAT(+33%)、問題解決件数(+15%)、アンケート回答数(8倍以上)と、いずれも大幅な改善を達成しました。結果として、Samsungはヘルプサイトでの顧客エンゲージメントを19%向上させ、問題解決までのパスを合理化し、その過程で顧客の満足度を向上することに成功しました。

チームの陣容には余裕がなく、予算も限られる中で、デジタルエクスペリエンスの規模とそれに対する顧客の期待は日々高まっています。デジタルエクスペリエンス管理に最適なアプローチについては、当社の電子ブック少ない労力でより多くの成果を実現:チームを支援し、優れたデジタルエクスペリエンスを提供する方法をご覧ください。

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